【守りを固める 1】〜美容室経営者の小規模事業者向け〜(2020.4.21更新)
皆さんお疲れさまです。自粛要請からの緊急事態宣言と事業者に試練が続きます💦会社や店舗を経営していると様々なピンチが訪れますが、こんなときは冷静に情報を見極めて守りを固めることが第一かと思います※今回の投稿は私が新型コロナウイルス関連の融資を日本政策金融公庫と信用金庫に申し込んだ体験談です(途中は解説が入ります)。
いまの状況で少しでも情報共有をすることで、厳しい状況にある仲間たちが生き残れるようにと思い、普段はしない類の投稿をします。主にスタッフがいる1~3店舗位の経営者向きです。他業種でも参考になると思います。長いですが。※今回は投稿を公開にしています。普段の投稿は基本友達のみ公開です。シェアもご自由にどうぞ。
経営者が会社を守るためには資金ショートさせないことが大事。
守りを固めるとは、運転資金の融資を早めに受けて現預金を潤沢にしておくこと。理美容室は売上は現金とクレジットカードなどキャッシュレス決済で入金が先、仕入れは掛けで仕入れることが多く支払いは後のため、運転資金いわゆる現預金は通常では月商の1.5~3ヶ月分あれば足ります。(スタッフがいるかいないかで多少違いますが)
今回のコロナウイルス騒動は外出制限や自粛により人が動かなくなるため、リーマンショックのような金融危機よりはるかに実体経済に与える影響が大きく、特に東京都など経済の中心部は売上に大きく影響が出ています。緊急事態宣言や今後の実質ロックダウン要請なども考えられます。地方も地域によっては今後影響がかなり出るでしょう。
なのでできれば今回は守りを固めるために運転資金を月商の6ヶ月以上(最低でも3ヶ月以上)可能な限りできるだけ多く確保すべきと考えています。個人的な意見ですが例えいま運転資金が月商の6ヶ月分あったとしても安全のためもっと資金調達すべきだと思います。何故なら経営状態がいいときはいい条件で借りやすいからです。銀行信用金庫など金融機関は基本的に晴れてるときに傘を貸し、雨の日に取り上げるといいますが、業績が今後悪化してから融資申込みでは遅いのです。守りの戦略のときに借りる運転資金は、借りて投資には使わないで置いておくのが鉄則です。
とはいえ、税引き後利益だけではなかなか月商の6ヶ月以上の運転資金は作りづらいので今回は融資で運転資金をつくる話です。
いま小さな会社が融資を受けるとするなら2つ方法があります。
1つは日本政策金融公庫(以下公庫、昔は国民生活金融公庫という名前でした)。これは政府100%出資の金融機関です。いまは新型コロナウイルス感染症特別貸付があります。これは運転資金でいうと返済期間は据え置き5年を含む15年まで。無担保で経営者本人の連帯保証人だけで借りれます。
2つめは信用保証協会の保証を使って銀行信用金庫から融資を受ける場合。各自治体の制度融資などがあります。借り手が保証料を払うことで融資の保証を信用保証協会が行うため金融機関はノーリスクで貸せるため比較的融資を受けやすいです。中野区では4/1より全額利子負担実質無利子&信用保証協会の保証料を東京都が半額もしくは全額免除という制度融資が使えます。
(もう一つはプロパー融資といって信用保証協会を通さず直接銀行から融資を受けることですが年商1億円未満までは条件がよい制度融資が充実しているためあまり使いません)
以下は運転資金を借りるために、2020.3/31に公庫に行き新型コロナウイルス感染症特別貸付を申し込み、2020.4/1に地元の信用金庫に中野区の制度融資を申し込みした体験談と感想です。
※今回の新型コロナ感染症特別貸付と中野区の制度融資は直近1ヶ月の売上が前年の5%以上ダウンしていることが条件です。
【日本政策金融公庫編 2020年 3/31申込み】
今回は公庫に行く前日3/30に地元の商工会議所(私は中野区)に公庫の融資はマル経融資(無担保無保証人経営者の連帯保証人もなしで借りれる)と新型コロナ感染症特別貸付のどちらを使ったほうがいいか電話相談しました。※ちなみに私の状況はマル経融資5年500万を返済中で残200万ほどです。
相談員の回答は今なら新型コロナ~がおすすめですとのこと。まず通常運転資金で最大15年据え置き5年含むという長期間はでないと。
あと新型コロナ~に申込みが殺到しているため審査を通常よりゆるくしてさばかないとバンバン貸せないから倒産が増えてしまうということでした。政府の意向です。
※後述しますがそれでも融資下りるのが6割
さて、公庫は管轄があり、中野区では公庫は新宿支店です。1300頃新宿の公庫に行くとお客様が20人くらいいて混雑していました。
受付では係員のひとが「今日は通常の融資の相談はしてません、融資の申し込みをするひとだけ受け付けています」とのことでした。私が融資申し込みの受付で引いた待ち番号は8番目。
※新型コロナウイルス感染症特別貸付では初めて公庫を使うひととそれ以外のひとでは必要書類が違います。初めて公庫を使う方は商売の概況等が必要、詳しくは公庫のウェブサイトを参照。
私は公庫はマル経融資(無担保無保証人で借りることができる融資)で使っているためリピートです。
今回の融資申し込みの必要書類は
○借入申し込み書(ダウンロードもできる。公庫でもらえるので私は現地でもらって書いた)
○売上減少の申告書(書式をダウンロードして記入)
○指定期間中の売上減少を証明する書類(試算表や売上帳 ※私はポスレジの売上表持参)
○法人:決算書直近2期分(原本でもコピーでも可)個人:確定申告書1~4の2期分
○納税証明書、もしくはクレジット納税の場合はメールのプリントで可
○法人:履歴事項全部証明書3ヶ月以内の原本
○法人:会社実印 個人:個人の実印
事前にウェブサイト見て書類はすべて準備していたので電話など何もアポなしでそのまま借り入れの面談となりました。
待ち時間は意外と早く15分。その間に借り入れ申し込み書を記入。とりあえず年数は10年据え置きなし金額は運転資金1000万円にしました。
面談では担当者に書類をすべて渡し、借り入れ申し込み書の未記入部分は質問して記入。売上計算書の計算が間違っていたので訂正しました(訂正印)。
借り入れの理由を聞かれたので、いまは有事に備えて家賃や人件費や赤字補填など運転資金は可能な限り多く持っておきたいと答えました。コロナウイルスで毎日20倍ほどお客様が来ているらしく細かくは聞かれずそれで通りました。
年数は10年1000万円で据え置きなしで出しました。結局アポ無しで資料揃えて行ったら15分待ちの申し込みとヒアリング15分の30分ほどで終わりました。
3日後の4/3の午前中に携帯に電話が来て審査した結果金額も期間も大丈夫とのことでした。
ダメ元でこちらから「10年1000万で出したけど、15年1000万にはならないか?」と聞いてみましたがそれは無理とのこと。
向こうから、「でしたら1年据え置き含む(利息支払いだけ、元本返済は2年目から)11年でいかがですか?」と提案され、それで了承しました。
利息は当初3年間0.48%、残り8年が1.38%でした。※利息は9年までは同じで以降1年伸びるごとに0.01%増えます。11年は+0.02%の数字。
週末には正式な書類が郵送で届いたので本日4/7に印鑑証明法人個人一通ずつと印紙1万円分と印鑑実印と届いたの書類を持参したら10分で終わりました。
4/10に銀行口座に振り込み手数料が220円だけ引かれて全額入金されるとのことでした。
ということは最短10日間で申込から着金までいけました。予定では15日と言われていたので公庫はリピーターさんで貸せる決算書なら相当早く審査終わるということがわかりました。
巷では新型コロナウイルス感染症特別貸付は審査で融資下りるのが申込の6割と言われています。意図的に赤字決算を繰り返して節税している会社は審査で難しいかもしれません。
参考になるかはわかりませんが今回直近の決算書で現預金は平均月商の約6ヶ月分ありました。現預金が厚いと減額されたりするのかなと思ったら逆で、金額や年数の条件はよくて借りやすいと感じました。
【自治体の制度融資 信用保証協会をつかって銀行(信用金庫)から借りる編 4/1】
公庫の申込をして、翌日4/1にはいつもお付き合いのある信用金庫の営業さんを呼んで、前述の全額中野区が利子負担するため実質利子0%&信用保証協会の保証料が半額もしくは全額免除という制度融資の申込書を提出しました。
こちらは7年で1000万円で出しました。現在中野区の制度融資は7年800万円で借りており、まだ返済残が400万円ほどあります。
信用保証協会の審査は通常2週間位かかるのですが、今回は4/6の午前中に審査が通り申込条件で融資が下りるとの連絡が。こちらも近日着金予定です。
融資申込が信用保証協会に殺到しているのに5日間で連絡来るとは今回は相当政府から発破がかけられているのだなと思いました。
以上が私が体験した融資の状況です。
今回小さな美容室経営者として自分で動いてみてわかったことは
○日本政策金融公庫も信用保証協会も現在コロナ関連融資の申込みが殺到している
○公庫融資はアポ無しでも資料揃えていけばその場で申込みができる
○自治体の制度融資も信用保証協会が相当頑張って審査を早くしている
○公庫融資も制度融資も無担保で経営者だけが連帯保証人、利息も安く長い期間で借りることができる(利息は現預金を多く持てる保険料のようなもので損金計上できる)
○決算書から借りれるだけの多くの金額で期間も最長で申し込むことを推奨(無理なら申し込み時か審査後に適正にするよう言われるし、赤字体質なら返済能力がないためそんなに借りれない)
○借金は期間短く早く返すという考えは今現在倒産させたくないならNG!時間を稼ぐために現預金をたくさん持つために借りるのであって、現在利息が安いのだから長く借りて毎月の返済額を少なくしておくこと。
*融資された運転資金は使わず置いておく場合です。今までも赤字続きで運転資金が枯渇しているところは今後延命することで負債が膨らむこともあります。
○現預金を運転資金で借り入れて多く持つことで選択肢が増えるし心の余裕ができる。(繰り返しますが、守りの資金なので攻めの投資などに使わないで置いて置くこと)守りの融資はあくまで時間稼ぎです。
○公庫と保証協会の融資枠は別。なので同時に申し込むことあと公庫に別枠と書いてある3つ枠があったとして(危機管理~等)、1枠で1000万借りれたとしてももう2つの枠で1000万円ずつ、計3000万円借りれるわけではないということ。公庫で年商の3分の1、信用保証協会で年商の3分の1くらいが融資枠の目安。
○こういうときに真っ当に借りやすいのは節税をせず適正な利益を出してる決算書。会社に利益剰余金を貯めてよい決算書をつくることが大事
○とにかく調べて動くと早く安心できる
○4/21 現在、公庫の新型コロナ融資は申込みが殺到していて審査に時間がかかっており、融資降りるまで平均2ヶ月以上かかるとのこと
○SNSに国の機関等の信頼できるソースのない情報を流さないこと。体験記を書いたのも自分で動いて調べてやったことはみんなの役に立つと思ったから
今回の投稿記事は規模の小さい理美容室向けですがスタッフがいればなおさら運転資金ショートしやすいため、参考になれば嬉しいです。
目下、緊急事態宣言を受けての対策、サロンの感染症への更なる対策や今後の休業の検討など課題が山積みです。が、皆さん生き残るために力を合わせて頑張りましょう!!
私もスタッフやお客様を安心させるため力を尽くします!!
代表 酒巻大智
*FACEBOOKへの投稿を編集しています(2020.4.21更新)
#新型コロナウイルス感染症特別貸付#日本政策金融公庫#信用保証協会#制度融資#新型コロナウイルス#美容室#理容室#公庫#融資#運転資金#助成金#補助金#雇用調整助成金#休業#緊急事態宣言
#営業自粛#飲食店#小規模事業者#小規模企業持続化補助金