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新型コロナウイルスで理美容室の休業or営業問題について考える。美容室経営者の体験談

【守りを固める2】理美容室の休業or営業問題について考える
 新型コロナウイルスに対応する小さな美容室経営者の思考と体験談

皆さんお疲れさまです。私の経営する自然派美容室トランスフォームは昨日4/11でスタッフ人数とお客様人数の制限営業が終わりました。

緊急事態宣言の前から様々な角度から情報を収集しスタッフ全員の意見を聞いた上で、経営者として最終的に5/6まで従業員全員の休業stayhomeを選択しました。

うちは私を除く全員が遠くから電車通勤をしているため、感染拡大防止のため、〜5/6まで正社員スタイリスト2名とパート2名の従業員4名は休業に入ります。

ここに至るまで私が考えたこと、選択肢をいくつ用意して、最後に何故そうしたのかを解説します。

前回の【守りを固める1】融資の投稿でも同じですが、SNSを見ると色んな意見がありみなさん悩まれているのではないかと思います。

今回もまた小さな美容室経営者である私(理容美容の免許持ち)が、赤裸々に胸の内をさらけ出すことで経営者同士の気持ちをわかり合えたり、みんなの思考や決断の少しは参考になるのではないかと思って書きます。
※【守りを固める1】を見てないかたはそちらもご覧ください。

決して休業をすすめるのでも、営業をすすめるものでもありませんのでご理解ください。

さて、最近、各所でもアンケートが取られています。お店を休業するか、営業続けるか。休む派と営業派みたいな。

★休業の選択
なんのために?いつまで?再開予定はいつから?そのとき状況が変わらないかもっと悪くなっていたら再開できるの?

★営業続行の選択
感染症対策はどうするの?スタッフに感染者が出たら?お客様が無症状感染者だったら?従業員とその家族の不安は?

それぞれの店によって状況も違うと思います。以下はこの2週間位で私が思ったこと。

○コロナウイルスが未知のものであるので、
策にBESTがないなら、少しでもよりましなBETTERな策を選択する

○ものごとにはいろいろな側面があり、みんな違った考え方感じ方をしていると理解する

○経営者は決断し、責任を自ら引受ける覚悟を持つこと。ひとのせい、社会のせいにしない、いまは批判よりも情報公開と助け合いが必要

◎科学的、論理的、情緒的、社会的、経済的、人間力、など多方面から【施策】案を考えること。そして案から施策を決めるときには組み合わせやバランスが大事

○情勢の変化と局面により振り子が突然反対に動いたり。そこで何を重視するのか、そして優先順位をつけるだけでなく、そのリスクを軽視しない

◎をつけた部分を私は1番重視します

以下は【守りを固める2】の策です。

《科学的、論理的対策》
現時点で新型コロナウイルスについてわかっていることは
1.主に接触感染と飛沫感染で感染する。
2.感染しても症状が出るひととでないひとがいる
3.若者に重症者死亡者が割合は少ない。軽症で終わる可能性が年寄りより高い
4.持病(糖尿病や肺疾患)持ちの高齢者が死亡率が高い
5.三密(密室、密接、密集)でのクラスター感染が多発

6.喉からのウイルスの飛散量は重症度でなく、高齢者になるほど量が増える。子どもはほとんど移さず、若いほど人に移さない、高齢者ほど感染リスクも感染させるリスクも高い。
唾液に多量のウイルスが含まれる。対面接客、特に夜の街と店で感染者が多発している。
(*NEW 日本感染症学会からの最新リポートより)

科学的にコロナウイルス感染を防ぐ方法は

○3密を避け室内の換気をよくする

○飛沫感染を防ぐ→お互いにマスク着用 対面をしない お客様がマスクを外したときに会話するはことは飛沫が飛ぶ前提。施術者はゴーグルつけたり、席間をあけたり、透明仕切りを天井から吊るすなど。

○接触感染を防ぐ→ウイルスがついた手で、顔を触らない習慣をつける(目、鼻、口の粘膜からウイルスが入る)→お客様が手で触るゾーンは毎回ウイルス除去する(※世の中には1度除菌したら効果がずっと持つと認識しているひともいます)

○スタッフには手指消毒と手洗いの徹底(orシャンプー)だけでなく感染症の教育が必要

○毎朝の検温義務化

○お店の決めたルールを守れるお客様のみ予約を受ける、、など

更に上記の内容を徹底できるか?

もしお客様orスタッフが無症状感染者(コロナウイルスの抗体獲得以前)だとしても移らない移さないような店の営業スタイルができるか?

換気が十分な店舗環境か?ウイルス除去除菌を毎回きちんとできるか?お客様とお客様との距離を開けるか仕切りを設けられるか?従業員教育がしっかりできているか?

などがもし現環境(感染拡大局面)で営業するとした場合の科学的、論理的対策です。

《情緒的対策》
従業員の話を聞く。営業することに対して休業することに対してどんな不安があるのか、個別に話を聞く。そのひとの不安や大事にしていることや価値観に対して理解を示し共感すること。

論理的科学的に対策するだけでは不安は消えません。ゼロリスクではないので。皆さんの周りにも楽観的なひともいれば、不安にかられているひともいるでしょう。

スタッフも自分がかかってしまったら。大切な家族やお客様に移してしまうのでは?でも休んだらお給料が減る。ずっと働かないで休むわけにはいかない、など

私も、不安を抱えるスタッフにはどんなことが不安で、どうしたら不安がなくなるか(少なくなるのか)聞いてみました。

ヒアリングをすることで不安を減らすというのが情緒的対策になります。

ただし、
楽観的なひとも悲観的なひとも論理的なひとも情緒的なひともいますし、なによりお客様もみんな考えかたが違うからです。

スタッフにもお客様にも相手の気持ちに寄り添うことが重要だと考えます。

《経済的な対策》
会社 現金→融資【守りを固めるその1】
(補助金助成金活用:小規模企業持続化給付金や雇用調整助成金など)
 
従業員 お給料の保証→もし休業するなら休業手当を出して、雇用調整助成金を使う

従業員は新型コロナの感染に不安を感じている段階から、次は休んだり売上が減ることでの経済的な心配をするひともいるかもしれません。

(営業していても歩合給の比率が高いところは売上の急減に対して給与が大幅ダウンしてしまうことに対して策が必要です)

私のサロンは固定給なので、従業員を休業させる場合は休業手当を支給します。

法律では休業手当は平均賃金(残業手当を除く3ヶ月の平均)の60%以上ですが。

6月30日までは雇用調整助成金もあるので資金に余裕があれば、残業代を除いて80%以上支給にしたほうが従業員の生活を考えるとベターです。

こういう苦しいときにできる限りのことを考えスピーディに実行すること。
まずは従業員に給与の保証や財務面が安定していることを強く打ち出し、不安を早く消すことです。

新型コロナによる経済活動の破壊は根深く、私は不況が1〜3年以上しばらく続くと見ています。

楽観的にもならず、悲観的にもならず中庸やニュートラルでいることが大事。

会社に現金を手厚くし、時を稼ぎ、可能な限り策を打てるようにする。

《社会的対策》
1.世論や国の政策を見てバランスをとること。

2.当面は復活局面になるまで生き残ることですが、お客様に支持される会社や店舗にするには『社会に必要とされる会社、従業員と顧客に支持される会社、店舗』でいることです。

☆社会的な対策とは
自社の現在〜未来の理想の従業員と顧客が求めることをすることと、そのメッセージを発信し続けていくことです。うちはニュースレターを送っているのでそこで顧客に発信し、今日からブログを再開します。

そのためにやってはいけないこと

○利己的な行動と言動
○他人に不平不満ばかり言う
○ブログSNSでネガティブ投稿の連発
○ブログSNSで他人の批判や揚げ足取り
○ブログSNSで公的機関のソースのない情報の拡散
(チェーンメールメッセージがSNS上やLINEで回ってきますがデマを巻くと信頼を失います)

これらの行動が多いひとは要注意。自分だけでなく会社のブランドを毀損します。(実は私も不甲斐ない政治家たちへ不平不満を言いまくってました。気をつけます)

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以上の科学的、論理的、情緒的、経済的、社会的対策をバランスを考慮した結果、スタッフの休業と私の1人営業を決めました。

私が休みにしなかった理由は一部顧客さまがたから、美容室は必要なので営業してくれているとありがたいと言われたからです。

1人営業ならより私へも顧客へも感染リスクを少なくできます。顧客にも行きも帰りも美容室以外に寄り道しないようお願いしています。

従業員を全員休ませることは現段階では新型コロナウイルスの感染拡大ペースを落とし(ゆっくり広がる方向へ)医療崩壊を防ぐことだと考えて、情緒的、社会的対策としました。

あとこの間に人数制限営業のシミュレーションもできるので、肌感覚で営業再開を決められるとというのもあります。

従業員たちからの提案では
○お店を5/6までとりあえず休業しオーナー含む全員休む。
○1人営業や2人営業をお客様制限で交代制
○経営者に一存する
など、それぞれ意見も違いましたが、みんなの意見を聞いた上で私が決めたことに従ってくださいとお願いしました。

理美容室の小規模事業者の経営者さまには参考にしていただければと思います。今回のコロナウイルスが終息することを願うとともに、いつかは経済を回していかないといけません。

その段階に早く移行できることも、そのときの対策もいま現在考えています。

最後に私の母に電話でスタッフ全員休業を伝えたところ

『一緒に働いてくれる従業員と家族が1番大事だよ。命あればいつでも何があっても復活できるから。戦後の日本人は何もないところから立ち直ったんだから。あなたも身体に気をつけて頑張りなさい!』

ひととしてどうあるのかの、あり方や言動が人間力ですね。

※高齢の母は我が子よりも、従業員やその家族のことのほうを心配してくれてました。さすが昭和の理容室経営者、愛情深いです。見習います!

営業のリスクと休業のリスクを天秤にかけて経営者は熟慮の上、決断していく必要があります。

どんな選択肢を選んだとしても正解がわからないなか、智慧と勇気を出し合って、みんなでこの局面を乗り切っていきましょう!

自然派美容室 トランスフォーム 

代表 酒巻大智

次回の予告
【守りを固める 3】は助成金や補助金のやり方や体験談など解説を交えて投稿します!

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*FACEBOOKの投稿記事を転載加筆しています